体内の水 無機質の重要さ 無機質のはたらき |
人間の体重の6割近くは水分であり、血液では83%にものぼる。食物では、大根の90%、豚肉の70%が水分で、人間は水を食べているようなものである。私たちの生活では、毎日2.5
l の水を摂り入れ、同じ量を汗や尿などで排出する。その間一日に腎臓を循環する水はのべで200 l にもなる。このように,生命活動を維持していくために,人間の身体にとって水は欠かせないものである。
|
摂取: 飲料 1200 ml 食物 1000 ml 代謝水 300 ml |
排泄: 不感蒸泄(肺 300 ml,皮膚 500-1000 ml) 尿 1000-1500 ml |
摂 取 | 排 泄 |
飲料水 1200ml | 尿 1500ml |
食物水分 1000ml | 不感蒸泄・肺 300ml |
代謝水 300ml | 不感蒸泄・皮膚 600ml |
糞便 100ml | |
合 計 2500ml | 合 計 2500ml |
レニン-アンギオテンシン系は血液量の保持と、血圧を上げる働きにより血液の循環を正常に保とうとする調節機構。
腎臓の糸球体に流れ込む動脈の壁には傍糸球体装置と呼ばれる部所があり、血圧を感知して、レニンと呼ばれる物質を分泌する。圧力が低下するとレニンの分泌量は増加し、上昇すれば分泌量は低下する。腎臓にはこのほかに化学受容体があり、血流中のナトリウム濃度が低下するとレニンの分泌は亢進する。
しかし、レニンそのものには血圧を上げる作用はない。レニンは血中のアンギオテンシノーゲンに作用し、アンギオテンシンI(AI)を遊離する。AIは血管内皮細胞膜にあるアンギオテンシン変換酵素(ACE)によりアンギオテンシンU(AU)に変換される。AUは強力な血管収縮作用があり、血圧を上昇させる。また、AUは副腎にも作用してアルドステロンの生成・分泌を促進させ、血圧を上昇させる。血液循環量が増加したり、血圧が上昇するとレニンの分泌は抑制され、この系の働きが低下する。
|
|
|
イオン | 細胞内濃度 (mM) |
細胞外濃度 (mM) |
Na+ | 12 | 145 |
K+ | 140 | 4 |
Mg2+ | 0.8 | 1.5 |
Ca2+ | <0.0002 | 1.8 |
Cl- | 4 | 116 |
HPO42- | 35 | 1 |
|
|
|
外(mM) | 内(mM) | Xin/Xout | ΔG濃度勾配 | ΔG膜電位 | ΔG外⇒内 | |
K+ Na+ |
5 145 |
140 10 |
28 0.069 |
8.24 -6.61 |
-6.74 -6.74 |
1.51 kJ/mol -13.35 kJ/mol |
名称(所要量/日) | 体内分布 | 主な作用 | 異 常 | 食 品 |
Ca カルシウム (700-800 mg) |
大部分が骨,歯 筋 70 mg/100 g 神経 15 mg/100 g 血液中 10 mg/100 ml |
支持組織の形成,筋収縮, 代謝制御,血液凝固 |
欠乏:テタニー, くる病,骨粗鬆症 |
スキムミルク、チーズ、ケール、ブロッコリー |
P リン (1.3 g) |
大部分が骨,歯 筋 200 mg/100 g 神経 350 mg/100 g 血液中 40 mg/100 ml |
維持組織の形成,タンパク質のリン酸化,ATPなどのリン酸化合物 | 欠乏:くる病,骨軟化症 | 鮭、スキムミルク、鶏の胸肉、オートミール |
Na ナトリウム (2-5 g) |
血漿中 330 mg/100 g (140 mM) 全Naの1/3は骨中(細胞外液) |
浸透圧の調節,血液量の調節, 神経機能,エネルギー蓄積作用 |
欠乏:低張性脱水 過剰:高張性脱水症,高血圧症,浮腫 |
チーズ、肉類、貝、エビ、かに、パン、ドレッシング |
K カリウム ( 4 g) |
細胞内液 400-500 mg/100 ml (150 mM) |
神経機能,浸透圧の調節, エネルギー蓄積作用< |
欠乏:筋麻痺 過剰:心停止 |
乾燥あんず・プルーン、バナナ、ほうれんそう |
Cl 塩素 |
血漿中 350 mg/100 ml (100 mM) 細胞内 180 mg/100 ml (50 mM) |
胃酸の形成,赤血球の塩素移動, 浸透圧の調節 |
嘔吐,下痢,発汗 …Clの喪失 |
|
Fe 鉄 (10-15 mg) |
総量 4-5 g ヘモグロビン 60-70% トランスフェリン,フェリチン 30% ミオグロビン 4% |
ヘムの構成成分 | 欠乏:貧血 | |
Mg マグネシウム (50-450 mg) |
総量 20 g 骨 70% 血 漿 3 mg/100 ml 赤血球 6 mg/100 ml 筋 肉 200 mg/100 g |
骨・歯の形成,キナーゼの コファクター,神経筋調節 |
欠乏:成長遅延, 痙攣 過剰:筋力低下, 昏睡 |
玄米、アボガド、ほうれんそう、たら、オートミール、ヨーグルト、バナナ |
Cu 銅 (0.05-2.5 mg) |
総量 ~0.1 g 筋 肉 50% 骨・肝臓 20% |
銅タンパク質成分,シトクロムオキシダーゼなどの酵素成分 | 欠乏:貧血,動脈瘤, 中枢神経系障害 過剰:青緑色唾液 と下痢 |
貝類、甲殻類、ナッツ、ココア、豆、きのこ |
I ヨウ素 (150 mg) |
甲状腺 | 甲状腺ホルモンの合成 | 欠乏:甲状腺機能 障害 過剰:甲状腺腫 |
ロブスター、エビ、カキ、パン、牛乳 |
その他: Mn (マンガン),Se (セレン),Zn (亜鉛), Cr (クロム),Mo (モリブデン),Co (コバルト),Ni (ニッケル) |
|