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解糖−反応1
グルコースのリン酸化(転移反応)
 グルコースは特異的なグルコース輸送体 (glucose transporter: GluT) を介して細胞内に取り込まれる。特に,脳,赤血球,肝臓ではグルコースは自由に細胞に取り込まれる。細胞に入るとグルコースはヘキソキナーゼ(hexokinase) によって直ちに6‐リン酸化される。肝臓では,グルコキナーゼ(glucokinase)が反応を触媒する(下記)。
不可逆
ヘキソキナーゼ
D-グルコース ATP      ADP
Mg2+
グルコース 6-リン酸
 リン酸化は,もう1つの基質であるATPのリン酸基がグルコースに転移されることによる [転移反応]。解糖のこの反応は不可逆であるため,逆反応である脱リン酸化は加水分解反応を使う (糖新生)。
酵素の性状: ヘキソキナーゼ [EC 2.7.1.1] またはグルコキナーゼ [EC 2.7.1.2]
酵素活性にはMg2+が必須で,本来の基質は遊離のATPではなくATP・Mg2+(下図 左上)である。
灰色:炭素
青:窒素
赤:酸素
橙色:リン
緑:Mg2+
酵母ヘキソキナーゼの構造 ヒト脳ヘキソキナーゼの構造
分子中央に基質を結合する深い溝が見える。結合するグルコースは分子の中に完全に埋もれてしまう。 酵母の酵素が2つ結合したような構造をもつ2価の酵素で,これがさらに二量体をつくる。基質であるグルコースは酵素分子の奥深くに埋もれている。
 肝臓では,ヘキソキナーゼの代わりにグルコキナーゼ [EC 2.7.1.2] (glucokinase)が使われる。グルコースに対するヘキソキナーゼのKmが0.1 mM以下であるのに対し,グルコキナーゼでは2−5 mMである。血液中の通常のグルコース濃度は約5 mM (食事後は約10 mM) であるから,肝臓以外の組織では常にグルコースはグルコース 6-リン酸に変えられることになる。血液中のグルコース濃度が十分高くなると(つまり,他の組織では十分なグルコースが得られている状態),肝臓のグルコキナーゼはグルコースをグルコース 6-リン酸に変え,グリコーゲン合成へと向かう。
[一言]
 脳の一部,腎臓髄質,赤血球はグルコースを唯一のエネルギー源とする臓器または細胞である。脳は,緊急時にはケトン体を使う。脳は体重の2%を占めるに過ぎないが,グルコース消費量は全体の20%にも達する。
解糖−反応2
グルコース 6-リン酸の異性化(異性化反応)
a-D-グルコース 6-リン酸はグルコースリン酸イソメラーゼによってフルクトース 6-リン酸に異性化される。この反応の自由エネルギー変化は小さい(平衡定数 K = 0.3)ので,生理的条件下でも反応はほぼ完全に可逆的である。基質となるのはa-D-グルコース 6-リン酸である。
グルコースリン酸
イソメラーゼ
a-D-グルコース 6-リン酸 フルクトース 6-リン酸
 グルコースをフルクトースに異性化することにより,カルボニル基がC1からC2へ移動する(フルクトースに異性化する理由を参照)。グルコース 6-リン酸は糖代謝の鍵となる化合物の1つである。この化合物はいくつかの代謝経路の出入り口となっている。
グルコース再生
グリコーゲン合成
ホスホグルコン酸経路 グルコース 6-リン酸 グルコース 1-リン酸

フルクトース 6-リン酸
(解糖系)

グルクロン酸回路
酵素の性状: グルコースリン酸イソメラーゼ [EC 5.3.1.9]
グルコースリン酸イソメラーゼはホスホグルコイソメラーゼともいわれる。
グルコースリン酸イソメラーゼの構造
二量体タンパク質に,2分子のフルクトース 6-リン酸が結合している。
解糖−反応3
フルクトース 6‐リン酸のリン酸化(転移反応): この反応は解糖の律速段階である。
 フルクトース 6‐リン酸は6-ホスホフルクトキナーゼによってATPのリン酸基がグルコースに転移され,フルクトース 1,6-ビスリン酸に変えられる[2番目のATP消費段階]。
不可逆
ホスホフルクト
キナーゼ-1
フルクトース 6-リン酸 ATP Mg2+ ADP フルクトース 1,6-ビスリン酸
反応と同様,この段階は全体として大きな発エルゴン反応であるので不可逆である。そのため,糖新生ではこの逆段階は加水分解反応を利用する。
ホスホフルクトキナーゼ活性
ATP    ADP

Pi   H2O
フルクトース 6-リン酸 フルクトース 2,6-ビスリン酸
フルクトース 2,6-ビスホスファターゼ活性
酵素の性状: 6-ホスホフルクトキナーゼ [EC 2.7.1.11]
 ホスホフルクトキナーゼ-1の分子上半分と下半分に,b-シートから成る板状構造がa-へリックスで囲まれた構造がある。全体の構造は,ホスホグリセリン酸キナーゼと似ている。
 ホスホフルクトキナーゼ-1(PFK-1)は分子量13〜60万の酵素で,微生物と哺乳類の酵素は四量体,酵母では八量体をなす。ヒトでは筋型,肝型,線維芽細胞型がある。PFKは種々の代謝産物で活性が調節されるアロステリック酵素である。ATP,クエン酸,H+は活性を阻害するが,ADP,cAMP,フルクトース 2,6-ビスリン酸(下図参照)は活性化剤として作用する。
 哺乳類の肝臓には,別のタイプの酵素であるホスホフルクトキナーゼ-2(PFK-2)が存在する。PFK-2はホスホフルクトキナーゼ(転写酵素)活性とフルクトース 2,6-ビスホスファターゼ(加水分解酵素)活性を併せ持つ珍しい酵素である。つまり,1つのタンパク質中に2つの活性部位が存在する。
微生物ホスホフルクトキナーゼの構造 ホスホフルクトキナーゼの4次構造
a-へリックス(赤),b-シート(緑)
基質(F-6-P, 水色),Mg2+(白)
2分子のADPが基質の真上と分子下方に結合
4つのサブユニットを色分けしている。
解糖−反応4
フルクトース 1,6-ビスリン酸の切断(脱離反応)
 フルクトース 1,6-ビスリン酸アルドラーゼ(アルドラーゼ)は,アルドール縮合の逆反応を利用して,フルクトース 1,6-ビスリン酸のC3-C4間を切断する。フルクトース 1,6-ビスリン酸の炭素1〜3からはジヒドロキシアセトンリン酸 (DHAP),炭素4〜6からはグリセルアルデヒド 3-リン酸 (GAP)が生成する。生じるGAPは全てD型である。
アルドラーゼ
フルクトース 1,6-ビスリン酸 DHAP + GAP
 この反応の自由エネルギー変化 (DG0' = +22.8 kJ)から見ると平衡は左に偏っているように思えるが,1分子のフルクトース 1,6-ビスリン酸から2分子のトリオースリン酸がつくられるので,細胞内の濃度ではこの反応は十分可逆的である。


 アルデヒドのα位のプロトンは,隣接するカルボニル基のために,引き抜かれ易くなっている。生じたエノラート陰イオンは求核試薬として働き,別の分子のカルボニル基を攻撃して付加物を与える。これをアルドール縮合という。解糖の反応段階(4)におけるアルドラーゼの役割は,このアルドール縮合を触媒することである。ただし,反応4の場合は下の例と異なり,2種の異なる分子間でアルドール縮合が起こる(混合型アルドール縮合)。
酵素の性状: フルクトース 1,6-ビスリン酸アルドラーゼ(アルドラーゼ)[EC 4.1.2.13]
 アルドラーゼ分子は,トリオースリン酸イソメラーゼa/bバレルのように,b-シートの円筒がa-へリックスで囲まれた構造をもつ。a-へリックスが1本,バレルの下を通っている。基質がbバレルの縁に結合するのもトリオースリン酸イソメラーゼと同じ。
アルドラーゼの構造
基質: DHAP + GAP
解糖−反応5
トリオースリン酸の異性化(異性化反応)
 トリオースリン酸の異性化はトリオースリン酸イソメラーゼが触媒する。フルクトース 1,6-ビスリン酸から生じたDHAPはグリセルアルデヒド3-リン酸 (GAP)に変えられ,以後,解糖は1本道となる。
 トリオースリン酸イソメラーゼの触媒反応のkcat/Kmは108以上と極めて高く,反応は拡散律速である。このような酵素を完全酵素と呼ぶ。
トリオース
リン酸イソメラーゼ
GAP
ジヒドロキシ
アセトンリン酸
(DHAP) グリセルアルデヒド
3-リン酸 (GAP)
酵素の性状: トリオースリン酸イソメラーゼ[EC 5.3.1.1]
 トリオースリン酸イソメラーゼは,b-シートの円筒(中央)がa-へリックスで囲まれた特有の構造をもつ。この立体構造単位を a/bバレルという。エノラーゼピルビン酸キナーゼにもこの構造が見られる。中央のbバレル部分は中空ではなく,アミノ酸側鎖で埋められている。
 酵母の酵素は二量体で機能するが,鶏の酵素はa/bバレルが2つ,70度ねじれて繰り返した構造をしている。基質はbバレルの縁に乗っかるように結合する。
トリオースリン酸イソメラーゼの構造
(左)酵母酵素の1つのサブユニット,(右)鶏の酵素
解糖−反応7
グリセルアルデヒド 3-リン酸の酸化とリン酸化(酸化還元反応):
  無機リン酸の取り込みとNAD+の消費。高エネルギー化合物の生産。
 グリセルアルデヒド 3-リン酸のアルデヒド基がカルボキシル基に酸化され,この時生じるエネルギーで無機リン酸がカルボキシル基にエステル結合する。同時に,放出された2つの水素はNAD+をNADH2+に還元する。生じた1,3-ビスホスホグリセリン酸は高エネルギー化合物である。
GAP グリセルアルデヒド
3-リン酸
デヒドロゲナーゼ
グリセルアルデヒド
3-リン酸
NAD+     NADH2+
+ Pi
(無機リン酸)
1,3-ビスホスホ
グリセリン酸
[高エネルギー化合物]
酵素の性状: グリセルアルデヒド 3-リン酸デヒドロゲナーゼ[EC 1.2.1.12]
 グリセルアルデヒド 3-リン酸デヒドロゲナーゼは4量体酵素で,各サブユニットに基質とNAD+が結合する。
グリセルアルデヒド 3-リン酸デヒドロゲナーゼの構造
1つのサブユニット(左)
NAD+が分子上方に結合
4次構造(右)
4つのサブユニット(色分けして示す)
が,ほぼ正四面体状に配置している。
解糖−反応7
1,3-ビスホスホグリセリン酸の脱リン酸化(転移反応): 最初のATP合成
 高エネルギー化合物である1,3-ビスホスホグリセリン酸の1-リン酸基は,ホスホグリセリン酸キナーゼによってADPに転移されATPが生成する(解糖の最初のATP生産)ここでADPは基質として酵素と結合しているので,これを基質レベルのリン酸化 (substrate-level phosphorylation) と呼ぶ。 グルコース1分子から2分子の1,3-ビスホスホグリセリン酸がつくられるので,ATPも2分子生じることに注意せよ。
 解糖に関与する4つのキナーゼのうち,唯一の可逆的酵素である。
ホスホグリセリン酸
キナーゼ
1,3-ビスホスホ
グリセリン酸
ADP    3-ホスホグリセリン酸
[参考]
・ATPを合成する仕組みは,基質レベルのリン酸化以外に,酸化的リン酸化光リン酸化などがある。
・ホスホグリセリン酸キナーゼという酵素名は,この反応の逆反応で付けられた名称である(ピルビン酸キナーゼもその例)。
酵素の性状: ホスホグリセリン酸キナーゼ [EC 2.7.2.3]
 ホスホグリセリン酸キナーゼ分子の上半分と下半分には,6本のb-シートの板がa-へリックスで囲まれた構造(b板/a)がある。この構造は,解糖の他の酵素 ホスホフルクトキナーゼピルビン酸キナーゼにも存在する。
 基質である3-ホスホグリセリン酸とATP-Mg2+が分子の下半分の溝に結合している。
ホスホグリセリン酸キナーゼの構造
解糖−反応8
3-ホスホグリセリン酸の異性化(異性化反応)
 3-ホスホグリセリン酸はホスホグリセロムターゼによって,2-ホスホグリセリン酸に異性化される。植物の酵素は分子内でリン酸基を転移する(下図の通り)。しかし,動物や酵母の酵素は2,3-ビスホスホグリセリン酸 (2,3-BPG) を cofactor として必要とし,酵素に共有結合しているリン酸基が2,3-BPGを介して基質に転移される(分子間リン酸基転移)。2,3-ビスホスホグリセリン酸 (2,3-BPG) はヘモグロビンのアロステリック阻害剤として有名である。
ホスホグリセロ
ムターゼ
3-ホスホグリセリン酸 2-ホスホグリセリン酸
酵素の性状: ホスホグリセロムターゼ [EC 5.4.2.1]
 ホスホグリセロムターゼ分子の下半分は6本のb-シートから成る板状構造がa-へリックスで囲まれた構造(b板/a)をもち,分子上部はランダム構造に富む部分からできている。b板/a構造はホスホグリセリン酸キナーゼピルビン酸キナーゼにも見られる。
ホスホグリセロムターゼの構造
a-helix(赤),b-構造(緑),基質(青)
解糖−反応
2-ホスホグリセリン酸の脱水反応: 解糖系2つ目の高エネルギー化合物の生産
 この段階は,2-ホスホグリセリン酸のHOH から水をとる反応である。この反応はエノラーゼによって触媒される。反応にはMg2+が必要である。Mg2+は中間体として生じるカルバニオンの安定化に寄与している。生じたホスホエノールピルビン酸は高エネルギー化合物である。
エノラーゼ
2-ホスホグリセリン酸 Mg2+  H2O ホスホエノール
ピルビン酸
[高エネルギー化合物]
 PEP + H2O = pyruvate + Pi    DG0' = 53.5 kJ
酵素の性状: エノラーゼ [EC 4.2.1.11]
 エノラーゼの分子上半分はb-シートの板がa-へリックスで囲まれた構造(b板/a)で,下半分はa/bバレルである。活性に必要な金属イオン(球で示す)がバレルの中からのぞいている。
エノラーゼの構造
中央の灰色球はMg2+イオンである
解糖−反応10
ホスホエノールピルビン酸の脱リン酸化(転移反応): 第2のATP生産
 ピルビン酸キナーゼ[EC 2.7.1.40]は,ホスホエノールピルビン酸からリン酸基をADPに転移し,解糖の第2のATP生産を行う (基質レベルのリン酸化)。ホスホエノールピルビン酸はエノール型のピルビン酸を経て,ピルビン酸(ケト型)になる。(事実上は進行しない)
 反応は反応と同じくMg2+を必要とし,また,この反応は不可逆である。
不可逆
ピルビン酸
キナーゼ
互変異性
ホスホエノール
ピルビン酸
ADP  ピルビン酸
(エノール型)
ピルビン酸
酵素の性状: ピルビン酸キナーゼ [EC 2.7.1.40]
 ピルビン酸キナーゼはK+で活性化され,ATPで阻害される。筋と脳のM型,肝や(腎と赤血球)のL型,腎,肝,白血球のK型といったイソ酵素 (isoenzyme) が知られており,全て4量体で機能する。
 ピルビン酸キナーゼは,ホスホグリセリン酸キナーゼなどに見られるb-シートの板状構造がa-へリックスで囲まれた構造(b板/a)が分子の下半分にある。分子中央はa/bバレル(トリオースイソメラーゼの特徴)で構成され,生成物であるピルビン酸(水色で示す)とK+が結合している。分子の上半分はb-シートの円筒(bバレル)で覆われている。ピルビン酸キナーゼはまさに立体構造の寄木細工のようである。
ピルビン酸キナーゼの構造
a-helix(赤),b-構造(緑),ピルビン酸(水色)
乳酸発酵−反応11
ピルビン酸の還元: NAD+の再生
 嫌気的条件下では,ピルビン酸は乳酸デヒドロゲナーゼにより乳酸に変えられる。この反応により,反応7で消費されたNAD+が再生される。→反応のメカニズム
乳酸
デヒドロゲナーゼ

NADH2+ NAD+
ピルビン酸 乳酸
 解糖系の酵素は細胞質に高濃度で存在するため,ATPの生産は酸化的リン酸化によるよりも100倍も速い。従って,筋肉組織が急速にATPを消費するとき,ATPはクエン酸回路ではなく,もっぱら解糖でつくられる。筋肉中に乳酸が蓄積するとpHが低下し,ホスホフルクトキナーゼの活性を低下させる。ここで生じた乳酸はコリ回路で再利用される。
酵素の性状: 乳酸デヒドロゲナーゼ(乳酸脱水素酵素)[EC 1.1.1.27]
 乳酸脱水素酵素は4量体酵素で,2種のサブユニット(M型とH型)が知られている。この組み合わせで,M4, M3H, M2H2, MH3, H4の5種のイソ酵素が存在する。Hサブユニットは心筋のような好気的組織に多く,Mサブユニットは骨格筋や肝臓のように嫌気的になり易い組織に多い。
乳酸脱水素酵素2量体の構造
アポ酵素(緑と青),補酵素(NADH2+, 赤と黄)
アルコール発酵−反応12
ピルビン酸の脱炭酸と還元
 解糖で生じたピルビン酸は,嫌気的条件下で,次の2段階の反応を経て,アルコールに変えられる。最初の段階はピルビン酸デカルボキシラーゼで触媒され,ピルビン酸のカルボキシル基からCO2がとれ,アセトアルデヒドが生じる。 次いで,アルコールデヒドロゲナーゼがNADH2+の水素を付加し,エタノールが生じる。 これらの反応により,解糖の反応6で消費されたNAD+が再生される。
ピルビン酸デカ
ルボキシラーゼ
アルコール
デヒドロゲナーゼ

TPP CO2

NADH2+ NAD+
ピルビン酸 アセトアルデヒド エタノール
酵素の性状: ピルビン酸デカルボキシラーゼ [EC 4.1.1.1]とアルコールデヒドロゲナーゼ(アルコール脱水素酵素)[EC 1.1.1.1]
 ピルビン酸デカルボキシラーゼは酵母などのアルコール発酵を行う微生物に存在し,動物はこの酵素を持たない。
ピルビン酸デカルボキシラーゼ
2量体の構造
アポ酵素(緑と青),補酵素(TPP, 赤)
アルコール脱水素酵素2量体の構]
アポ酵素(緑と青),補酵素(NADH2+, 赤),
4つの亜鉛イオン(灰色),エタノール(水色)
補酵素(TPP)はサブユニットの界面に存在する。 基質であるエタノールが補酵素と接触し,水素添加を受ける。